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2010年12月の投稿

2010年12月19日 (日)

性格の不一致などを理由とする離婚請求

今回は離婚の話題です。単に性格の不一致だけでは裁判上ではなかなか離婚が認められないことが多いようです。今回のケースもいったん地裁では棄却されました。

次のようなケースです。

妻は出産後,子どもの養育に熱中していきました。夫は妻との教養ある会話を期待して結婚していたのですが,妻は子育てに夢中で,そのような会話が次第に成り立たなくなってきてしまったのです。夫はたまらず,そのことを妻に指摘しました。しかし,子どもの養育に一生懸命になることは親として当たり前でもあり,逆に子育てに理解がないとしてmたびたびたび口論になってしまうこともありました。

蒸気を原因とすることではなかったのですが,結婚当初,些細な口論から妻がヒステリー性の発作を起こすようになっていました。そこで,上記のように口論になると,妻はいつもではないが,発作を起こすようになってきました。

口論は続きますが,お互いの主張は平行線で,妻の養育や家事に対する熱中は変わりなく,夫が期待していた妻の像と現実の姿のギャップはどんどん大きくなっていってしまいます。

結婚5年後,そのような妻に愛想をつかし,夫はとうとう別居を決意してしまいます。

その翌年に夫は離婚調停を申し立てましたが,調停が3年にも及びますが不調に終わってしまいました。

そのまま別居生活は継続され,そして結婚10年後に夫は2回目の調停を申し立てることにします。しかし,これも不調に終わってしまいました。

そこで,そのまま夫は離婚訴訟を提起することにしました。

地裁では離婚の原因は夫のわがままであると請求は棄却されましたが,控訴し,高裁では離婚の原因は夫のみの責任ではなく,夫婦の人生観・性格の不一致にあるとし,さらに婚姻関係が完全に破たんしているとして,結局,請求は認容されました。

2010年12月16日 (木)

成年後見制度~後見類型とは~

後見類型の対象となる方は「精神上の障害により」「事理を弁識する能力を欠く常況にある」方となります。この「常況」は「状況」ではありません。つまり,能力を欠く状態にあるだけでなく,常にそのような状態である必要があると言うわけです。

あまり気持ちの良い響きではありませんが,法律ではこのように定められています。具体的にどのような状態をいうのかは定義されておりませんが,いわゆる植物状態にある場合,その他に恒常的に判断ができない状態にある場合や,時折,判断能力が回復する場合でも,通常は判断できない状態にある場合も含まれるとしています。

さらに具体的な事例では,寝たきりでほとんど意思表示がない状態で会ったり,通帳,銀行印などの大事なものをたびたび紛失したり,自分の住所,家族の名前などのきわめて身近なことが思い出せなくなったりなどが大まかな基準とされています。

ただし,最終的には医師の診断書,鑑定によって家庭裁判所が認定していくことになります。

後見の申立てにおいて,家庭裁判所は「申立ての動機や目的」「本人の健康・生活の状況」「財産状況」「親族(相続人)の関係」などを重視していきます。

後見の審判が決定し,被後見人となるとほとんどの財産に関する法律行為ができなくなります。本人が勝手に行った法律行為は成年後見人,または本人によって取り消すことができます。

ただし,本人のすべての経済活動を規制しては自己決定権の侵害になってしまいますので,身近な日用品の購入や日常的な行為(孫にお小遣いをあげる,好きな食べ物などを買う)などは被後見人がひとりで行うことができます。

その他,被後見人となると,前に述べたように一定の地位・資格や権利を喪失することになります。

2010年12月13日 (月)

入管法が新しくなりました。~「留学」と「就学」が一本化されました~

留学生の安定的な在留のため,在留資格「留学」と「就学」の区分をなくされました。

「留学」の在留資格へと一本化するものです。

従来,「留学」は大学生や専門学校生など,「就学」は高校生などを対象とした在留資格でした。

「就学」は在留資格の有効期間が1年または半年と,「留学」の2年または1年に比べ短かったのですが,一本化されることによって,落ち着いて勉学にいそしめるわけですね。

なお,法律の施行後,活動内容に変更がなければ,現在「就学」の在留資格を有する学生の方が「留学」に変更する必要はありません。

2010年12月 9日 (木)

相続について~親族等が,不在となって生死も分からない状態が続くとき~

親族等がいなくなってしまった。残された家族などはどうすればいいのか途方に暮れることもあります。しかし,生きていてほしい。これは家族の願いであるでしょう。

しかし,この状態のままであれば,不在となってしまった人,残された者の権利や義務関係が不安定なままで不都合生じてしまいます。

心情的にはいろいろな思いもありますが,そういった不安定な状態を解決するために法律では失踪の宣告という制度があります。

不在者の生死が7年間明らかでないときは,利害関係者は家庭裁判所に失踪の宣告の請求をすることができます。

7年の起算点はその不在者の生存が認められた最後の時点の翌日となります。その時点から起算し,満7年間経過すると請求できることになります。

申立人となる利害関係者とは,法律上,不在者と利害関係のある者で,配偶者,父母,生命保険受取人などが該当します。

利害関係者は不在者の住所地,居所地等を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。

家庭裁判所は申立てを受けると,調査後に不在者について6ヶ月以上公示し,その後失踪宣告されます。

失踪宣告の審判がされると,不在者は死亡した者とみなされ,相続が発生し,また,配偶者は再婚も可能となります。

2010年12月 7日 (火)

遺言書について~遺言を共同で書くことはできるの?~


2人以上の者が一つの遺言書に遺言を残すことを共同遺言と言います。共同遺言は民法によって禁止されています。

これは,同じ遺言書に,「2人以上の者がそれぞれに独立をして遺言を残す」「同じ遺言書で2人以上の者がお互いに遺贈しあう内容を残す」「2人以上の者がそれぞれの遺言の効果を停止条件などにする」場合もあります。しかし,いずれも無効となります。

共同遺言は,共同で行うことによって,遺言者個人の自由な意思に何らかの影響を与えあうこと,共同者の誰かが,遺言を撤回した場合の手続き上の問題,共同者のいずれかの部分に無効事由がある場合の問題などが理由でできないとされています。

しかし,自筆証書遺言で,封がしてあり,その中に2通の別々の個人の遺言書が入っている場合は,一つの遺言書ではないので有効となります。また,別々の遺言書がホチキス等でつづられている場合でも,容易に切り離すことができるので,有効となります。

いずれにせよ,遺言書を発見した場合は家庭裁判所で検認の手続きを行って下さい。手続等が分からない場合は「はあとふる法務事務所」までご相談ください。

2010年12月 5日 (日)

相続関係の話題~親族等が,不在となって生死も分からない状態が続くときはどうなるの?~

親族がいなくなるのはショックな出来事です。生きていてほしい。そう願うのは当たりまでと言えます。

しかし、いなくなった人の財産、所有物がその人の名義のままであると、色々な不都合が生じてしまうのも事実です。

そこで、その場合、失踪の宣告という制度を利用することを考える必要も出てくることでしょう。失踪の宣告とは次のような制度です。

不在者の生死が7年間明らかでないときは,利害関係者は家庭裁判所に失踪の宣告の請求をすることができます。

7年の起算点はその不在者の生存が認められた最後の時点の翌日となります。その時点から起算し,満7年間経過すると請求できることになります。

申立人となる利害関係者とは,法律上,不在者と利害関係のある者で,配偶者,父母,生命保険受取人などが該当します。

利害関係者は不在者の住所地,居所地等を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。

家庭裁判所は申立てを受けると,調査後に不在者について6ヶ月以上公示し,その後失踪宣告されます。

失踪宣告の審判がされると,不在者は死亡した者とみなされ,相続が発生し,また,配偶者は再婚も可能となります。

いなくなった人に対して、亡くなったことにするなど、冷たい制度のような感じを受けます。しかし、現にここにいる人たちの利益と幸を考えると、それも必要なのかなぁと感じます。

2010年12月 3日 (金)

離婚のいろいろ~親族との不仲を理由としての離婚?!~

離婚は夫婦二人の問題と思いがちですが,それぞれに両親や親せきがいて,その人たちとの付き合いも,夫婦生活には欠かせないものです。そんな相手方の親族との不仲を理由として,離婚請求はできるのでしょうか。

今回のケースは別居していた妻の母親が少しずつ,夫婦の住居に居座るようになってきたケースです。

居座るだけでなく,妻の母親はよく夫をなじるため,夫と妻の母親はとても不仲となってしまいました。結構,ずうずうしい母親なのでしょうか?

それならば,妻が当然,母親に少しは遠慮した態度をとるように促したかというと,今回はそうでもなく,妻は,夫に相談もせず,妻の母親との同居,そして,同居に向けての増築計画の相談までしていたのです。

当然ながら,夫はそのこと知ってからは妻に対する不信を募らせ,また,妻の母親に自宅に戻るよう強く要求していました。

結局,夫のが強い要請で,妻の母親は自宅に戻ることになりました。しかし,そう簡単に話は終わりません。今度は妻が夫の母親に対して夫の悪口を言うようになったのです。

妻もなんで夫の母親まで巻き込むようなことをしてしまったのでしょうか。かっとなってのやつあたりなのでしょうか。

なので,また当然に夫の妻へ対する不信は極限に達してしまいます。このような状況では家庭内の会話はないばかりでなく,夫はとうとう自宅の自室にこもりがちになってしまいました。妻が執拗に話し合いを求めました。その結果,事態は好転することなく,夫は家を出て別居生活が始まってしまったのです。

夫婦の別居生活が2年半ほどに及んだ時に夫から家庭裁判所に離婚の請求がなされました。

しかし,6年余りの夫婦生活と比べ,別居の期間はさほど長くありません。そして,婚姻関係の回復はまだ期待されると判断されました。当事者間では,特に夫の側からは結婚を続けられない気持ちでいっぱいだったのかもしれませんが,家庭裁判所の判断は婚姻関係が破たんしているとはいえないとして離婚の請求は棄却されてしまいました。

夫婦は単に恋人同士ではなく,法的にお互いに助け合う義務を背負う関係になります。心の小さな隙間が,大きな溝になってしまって,どうしようもない気持ちになっても,外側から見て破たんしていると見られなければ,裁判では認められないことが多いです。

結婚する前,結婚してから,そして定期的にしっかりと夫婦で理解しあえるような話し合いを積極的に持つことがいいのでしょうね。

2010年12月 2日 (木)

障がいのある人にとって「できない」とは

障がいのある子どもに出会いました。その子は友だちが自分の名前を書いているのを見て自分も,自分の名前を書こうとしました。

しかし,どうしても手が思うように動かず,書くことができません。他にも友だちと同じように字を書こうとするのですが,友だちのように書くことができないのです。

その子の目には涙が浮かんでいました。

友だちは書けるのに自分は書けない,そういったことのショックやもどかしさがあったでしょう。何でできないのかといった葛藤の中でさらに名前が書けないといった「できない」という事実がその障がいのある子どものの小さな胸をギュッと締め付けます。

その経験の中で,自分の可能性に疑問を持ち,自分に対する希望の明かりに陰りがさしてきてしまいます。そして自信がなくなってきて,様々なマイナス思考要因が育まれていってしまうのです。

障がいのある人にとってできないことは教えてもらわなくても,ひっきりなしにつきつけられてきます。そういう中にあっては,逆にできないことを嘆くよりも,できることを発見して,そこから自信の芽を育むことの方が本当は大切なのでしょうがなかなかうまくいかないものです。

違う障がいのある子どもが,将来の夢の発表で「路面電車の運転手になりたい」と発表しました。そのこの担任からの「無理な夢を抱いているのでどうやってあきらめさせたらいいでしょう」と言われました。

誰でも小さな時に大きな夢,時には大きすぎる夢を持ってしまうものです。成長とともに現実が突き付けられ,現実との闘いの中で非行や問題行動を見せる子どももいるでしょう。しかし,そうやって人は成長していくもの。

どうして,障がいのある子どもはその夢を早く捨てるよう促さなければならないのか,その先生の意図が分かりませんでした。

一方で,以前,障がいのある青年が相談に来ました。まあ,とにかくがんばってみようと励ますと「どうせできんから」そう言うのです。

「あなたには無理」と教えられ,できない可能性を植え付けられた結果,その心からはそんな言葉しか出てきませんでした。私はそこで自分にも言い聞かせている言葉を伝えました。

 鳥の仲間であるペンギンやダチョウが空を飛べないことばかり嘆いていたら,広大な海の世界でのびのびと泳ぐ姿や,力強く颯爽と走る姿は見られなかったかもしれないよ。自分にもできることは必ずあるはずだから,できないと嘆くばかりじゃなくて,できることを一緒に探して,見つけようと。

冒頭で紹介した子どもも,実は現在はもう高校を卒業しています。そして,電動車椅子と出会い,大きく自分の世界を広げることができました。そして,違う自分の可能性を発見して,自信を取り戻すことができたようです。

2010年12月 1日 (水)

成年後見制度~そのメリットとデメリット~

最近は新聞紙上やテレビなどで成年後見制度という言葉をよく見聞きするようになりました。当事務所も専門的に扱っている業務ですが,いったい成年後見制度とはどんな制度なのでしょうか?

今回はごく簡単に成年後見制度についてまとめてみました。

後見制度は,判断能力が不十分な成年者に対して,家庭裁判所が選任した後見人等が,ご本人を支援し,同時に本人の権利を守る制度です。複雑な福祉の契約などを,ご本人の利益を考え,代わりに行うだけでなく,悪質な商法からご本人を守る役割も果たします。一方で,権利の制限や資格制限を受けることもあります。以下に,さらに詳しく触れていきたいと思います。

成年後見制度のメリットは,現在の複雑な経済システムや契約システムから本人を保護することだと考えられます。後見類型では,本人のできること(日用品の買い物等)を限定することで,様々な契約等を後見人がすることにして本人を保護することにしています。

保佐類型では,重要な法律行為をあらかじめ決めておき(民法13条1項)その範囲で保佐人の同意を要することにしています。また,被保佐人と保佐人の任意で特定の行為について代理権を保佐人に付与することができます。

保佐類型では本人を保護するとともに,本人の意思による自己決定の範囲を後見より広げています。

補助類型では,保佐における重要な法律行為の範囲で補助人の同意権を付与することができます。また,特定の行為について代理権を補助人に付与することができます。同意権,代理権いずれも被補助人と補助人の当事者間で決めることになっており,費補助人の自由意思を尊重する形となっています。

成年後見制度のデメリットとしてあげられるのは,被後見人,被保佐人に対する資格制限です。

被後見人,被保佐人ともに制限されるものとしては,法人,会社等の役員,また,医師,各士業,教員等の資格,事業の許可・認可・指定等,公務員等の地位,が取り消されることになります。

被後見人ではさらに,取り消される資格,許認可の範囲が広くなるだけでなく,選挙権や,被選挙権がなくなってしまいます。

選挙権については民主主義の基本的権利であること,また,後見登記がなされなければ同じ状態であっても,選挙権のある人,ない人となり,権利擁護の制度である成年後見制度を利用することで権利がなくなることから批判も多くあります。

また,印鑑登録も抹消されます。

このように,成年後見制度には大きなメリットもある一方でデメリットも存在します。ご本人の生活の状況や価値観等配慮しながら,制度の利用を考える必要があります。

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