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2011年5月30日 (月)

障がいのある人にとって暮らすことの大変さ

今まで,私は障がいのある人やその家族の方々と出会いながら,その障がいそのものと向き合っていくことの大変さをつくづく感じさせられてきました。

障がいの状態が重度になると「生きる」といった命そのものについて常につきつけられながら生活していかねばならないこともあります。

「子どもが生まれた時,野原を駆け回り,ブランコを元気に漕いで,またある時は遊園地でメリーゴーランドに乗る。そんな夢を描いていましたが,うちの子は難しいようです」

と言われていた母親の言葉がありました。その子は呼吸器管理されていて,外出自体が難しい様子でした。

「この子にも野原の空気を吸わせてやりたい,遊園地のにぎやかな雰囲気を味あわせたい」

そう思う一方で,感染したらどうしよう。急激な環境に変化に体がついていかなければ,今後の体調管理が非常に困難になる可能性もある。

願いと現実のはざまで,常に悩みと向き合わなければいけないのです。

しかし,それだけではありません。

先日,こんなことがありました。

重症の障がいのある方の車椅子作成をしようとした時のことです。車椅子の助成を受けるためには更生相談所の診断が必要です。

この診断は本人が更生相談所に行くのが困難な場合,訪問しての診断も可能となっています。

この方は車椅子乗車は可能ですが,座る姿勢を確保するための筋力が弱いため20分程度継続して車椅子に乗ることが難しい状況です。そこで,安定して座れる車椅子を作ろうとしているわけです。

そこで,現在入所している施設に,その旨を伝えたところ

「うちでは呼吸器管理をしている人以外は訪問を利用しないことになっていますので,相談所に行って下さい」

とのことです。来所か訪問かを決めるのは医師の意見書によって更生相談所が決めることになっています。施設がそんなことに口をはさむのは理解できませんでした。

「医師が判断することでしょう?」

そう言うと

「このくらいの人の状態で意見書を書くと,うちに医師が更生相談所から悪く思われる可能性がある」

とのことでした。更生相談所までは30分はかかります。そして,そこでも40分以上は診断等に時間を要するとのことです。

その人は施設の行事(2時間程度の)にも20分程度しか参加できません。それ以上の時間,車椅子に乗っての参加が難しいからです。しかし,早くとも2時間近くかかるかもしれない,その診断には行きなさいとのこと。それは,施設が更生相談所から指摘されるかもしれないのでそれが嫌だから。

どこを向いているのでしょう?

まだまだ,バリアの多い社会の中で,生きていくのは大変です。それなのに,一番近くにいるはずの施設の方がさらに無理を押しつけてくる。理解のない環境の中では暮らすことだけでも大変です。



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